パートで働くなら知っておきたい基礎知識
「子どもがまだ小さいから短時間で働きたい」という人や家庭と両立しながら働きたい人など「パート」という働き方を考えている人に向けて、パートとして働くために知っておきたい基礎知識を紹介していきます。
パートにとって税金とは?
すべての労働者に課せられている税金が所得税です。所得税は一定以上の収入がある人に課せられていますが、収入すべてに課せられているわけではありません。同じような言葉に給与所得控除というものがありますが、これは給与から一定額差し引くことができる控除額のことです。給与所得控除額は年収によって変わり、収入が多いほど控除率は下がります。看護師のパート勤務の平均年収である160万円を例にして考えてみましょう。
給与所得は、「年収-給与所得控除=給与所得」の式で計算します。毎月もらえる給与やボーナス、交通費や残業などが含まれた年収から控除額を引いた給与所得が課税対象となるわけですが、年収が180万円以下の場合は収入金額×40%が給与所得控除額となるため、年収160万円の場合は65万円(160万円×40%=65万円)です。
先ほどの式に当てはめて計算すると「160万円-65万円=95万」となります。つまり、160万円稼いでも税金がかかるのは95万円分、というわけです。所得税の税率は所得金額に応じて5%~40%と段階分けされていますが、課税所得195万円以下は5%なのでこの場合は47,500円(95万円×5%=47,500円)です。
健康保険と厚生年金はどうなる?
社会保険の加入が義務付けられていますが、パートで働く場合は法律で定められている「正社員の1週間の所定勤務時間の3/4以上」「正社員の1ヶ月の所定労働日数の3/4以上」という条件を満たさなければなりません。
たとえば、正社員の勤務時間が8時半~17時半で9時間の場合は1日7時間以上、勤務日数が週5日の場合は週4日以上働けば3/4以上という条件を満たすことができます。また、パートで働く場合は103万円と130万円の税金の壁を考慮しなければなりませんが、他の職種に比べて看護師は時給が高めなので、これらの税金の壁は特に問題にならないでしょう。
雇用保険と労災保険はどうなる?
雇用保険は「一定以上働いた人が失業した後に、次の仕事が決まるまでの生活を保障してくれるもの」で週に30時間以上働く人であれば必ず加入している保険です。パートで短時間勤務であっても長い期間働くつもりなら加入できます。
勤務中の事故やケガを補償してくれる労災保険ですが、この保険は特に必要な勤務時間が決められているわけではありません。短時間勤務も加入対象です。様々な病気の人やケガをしている人が多く訪れる医療機関は感染症やケガのリスクが高いため、自分の身の安全を確保することも必要です。労災保険がどうなっているのか、きちんと確認しておきましょう。
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