社会保険の種類
看護師に関係がある保険についてまとめています。普段ひとまとめにして呼ばれている「社会保険」の中身を個々に見ていきましょう。
労働者災害補償保険(労災保険)
勤務中に労働者が負傷した場合や業務が原因で病気になった場合に必要な保険給付を行う制度です。労働者を1人でも使用していれば法人や個人事業主に関わらず、適用となります。労災保険は正社員だけでなく、パートやアルバイトとして働いている看護師も対象です。なお、労災保険は法人や個人事業主が全額負担するため、個人が保険料を負担することは一切ありません。
雇用保険
失業者への給付を行っていることもあり、「失業保険」とも呼ばれています。「31日以上の雇用見込みがある場合」や「1週間当たりの所定勤務時間が20時間以上ある場合」は、事業所の規模に関係なく強制的に適用されます。
厚生年金
給与からあらかじめ差し引かれているため、給与明細などを意識して確認しなければいくら支払っているのか分からない人もいるかもしれません。厚生年金は老齢で働き続けることが難しくなった労働者やその家族の生活の安定・福祉の向上を目的とし、ある一定の年齢になったときに給付されます。従業員が5人以上いる事業所や病院が対象となるため、クリニックなど少人数でまわしているところは含まれない場合もあります。厚生年金は法人や事業主と折半となりますが、給与の額によって等級分けされています。
健康保険
健康保険は厚生年金と同時に加入するためワンセットで考えられることも少なくありません。保険料は都道府県によって料率が異なります。どれくらいの料率か気になるのであれば、健康保険証に記載されている勤務先の住所を全国健康保険協会のデータと照らし合わせてみてください。
健康保険や厚生年金は基本的に正社員の人を対象としていますが、「1週間の勤務時間が正社員の3/4以上である人」もしくは「1ヶ月の勤務時間が正社員の3/4以上である人」はパートやアルバイトでも加入できます。しかし、既婚で夫の社会保険に加入している場合は妻の年収が130万円未満だと夫の被扶養者となるため、条件を満たしていても加入できません。
介護保険
介護保険とは要介護認定を受けた人に介護費用を給付する保険です。健康保険の被保険者に該当する40歳~65歳未満の人は加入が義務付けられているため保険料を支払わなければなりません。介護保険は健康保険と一緒に給与から天引きされます。
社会保険について知りたい人におすすめ
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試用期間の社会保険の扱いに注意!
求人を探す際は試用期間中の社会保険の扱いにも注意しましょう。加入条件を満たしていれば試用期間中でも社会保険に加入しなければなりませんが、未加入の病院やクリニックは労働環境が劣悪なブラック企業の可能性があります。なるべく避けるようにしましょう。
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社会保険のメリット・デメリットを知る
加入するメリット・デメリット
社会保険は労働者の生活を保障し税金を節約するメリットがありますが、手取りが減るというデメリットもあるため、働き方によっては損してしまうこともあります。まずはどのような働き方を目指しているのかを明確にし、社会保険に加入することが得になるのかどうかを考えてみましょう。
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「社会保険」って何?
社会保険の種類
看護師に関係がある社会保険について詳しくまとめています。厚生年金や健康保険は働き方によって加入条件があるので、対象かどうか事前によく確認しておきましょう。雇用保険や労災保険は特に加入条件が定められているわけではないので、パートやアルバイトも加入できます。