加入義務がある人は?
日本はすべての人が何らかの健康保険に加入し、病気やケガをしたときに安心して医療が受けられる「国民皆保険制度」をとっています。職種に関わらずすべての人が何らかの保険に加入しなければなりません。
正社員は社会保険の加入が必須
雇用主は従業員を社会保険に加入させる義務を負っているため、正社員として雇用されている人や一定の条件を満たしている人は法人や事業主経由で社会保険に加入しなければなりません。試用期間中は正式雇用ではないため加入しなくても良い、としているところもありますが、試用期間中も対象に含まれるため法律に違反しています。
パート・アルバイトには加入条件がある
パートやアルバイトで働く場合は条件によって加入義務が生じます。社会保険に加入しなければならないのは、「1週間の勤務時間もしくは1ヶ月の勤務日数が正社員の3/4以上である場合」です。たとえば、正社員が週に40時間以上、パート・アルバイトが週に30時間以上働いている場合は勤務時間が3/4を超えるので社会保険に加入しなければなりません。
この条件に当てはまらなかった場合でも、「従業員が501人以上」「1週間の勤務時間が20時間以上」「月額賃金が8.8万円以上」「勤務期間が1年以上もしくはその見込みがある」「学生ではない」の条件にひとつでも当てはまれば加入対象です。
役員にも加入義務がある
役員であっても、会社から報酬をもらっていれば社会保険の加入義務があります。ただし、無報酬で「役員」という肩書のみの人は該当しません。
個人事業主は条件で加入する保険が変わる
従業員が5人以上いる場合は健康保険と厚生年金に加入しますが、法人とは違いすべて自分で手続きしなければなりません。
従業員が5人以下の場合は健康保険や厚生年金ではなく、「国民健康保険」と「国民年金」に加入することになるので市役所で手続きします。
加入は断れない
すべての人が何らかの保険に加入する国民皆保険制度をとっているため、加入したくないからといって断ることはできません。正社員やパート・アルバイトとして雇用されていながらも条件を満たしている人は「健康保険」と「厚生年金」に、配偶者の扶養に入っている人は夫や妻の社会保険に、それ以外の人は「国民健康保険」と「国民年金」に加入します。
焦っていてもしっかり確認する
転職先がなかなか決まらない場合は雇ってもらえるだけでもいいという感覚でいるため、なかなか社会保険にまで気が回らないかもしれません。ですが、社会保険は労働者として守られるべき権利です。求人情報に社会保険完備と記載しているにもかかわらず、加入していない病院やクリニックは労働環境が劣悪な可能性があるので近付かないようにしましょう。
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試用期間の社会保険の扱いに注意!
求人を探す際は試用期間中の社会保険の扱いにも注意しましょう。加入条件を満たしていれば試用期間中でも社会保険に加入しなければなりませんが、未加入の病院やクリニックは労働環境が劣悪なブラック企業の可能性があります。なるべく避けるようにしましょう。
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加入するメリット・デメリット
社会保険は労働者の生活を保障し税金を節約するメリットがありますが、手取りが減るというデメリットもあるため、働き方によっては損してしまうこともあります。まずはどのような働き方を目指しているのかを明確にし、社会保険に加入することが得になるのかどうかを考えてみましょう。
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「社会保険」って何?
社会保険の種類
看護師に関係がある社会保険について詳しくまとめています。厚生年金や健康保険は働き方によって加入条件があるので、対象かどうか事前によく確認しておきましょう。雇用保険や労災保険は特に加入条件が定められているわけではないので、パートやアルバイトも加入できます。